企画画廊と貸画廊の違いは?
- 2015年12月11日
- 絵画の基礎知識
企画画廊と貸画廊の違いは?
画廊・ギャラリーは企画画廊と貸画廊2つに大別することが出来ます。
ですが、看板に企画か貸かなどは明言しておらず、店を見ただけで見分けることは出来ないでしょう。
もちろん鑑賞者にとって作品を見ることが第一でしょうから、見分けることにあまり意味はないかもしれませんが、企画画廊と貸画廊の両方に特徴があるのも事実です。
今回は両者の違いをご紹介します。
企画画廊とは?
企画画廊は、画廊主がこれから芽が出るだろうと目を付けた作家や、すでに評価を得ている作家に依頼して展覧会等を企画する画廊を指します。
そのため画廊ごとに画廊主の好みが色濃く反映されます。
その画廊主が日本画・洋画・版画・彫刻・陶芸の内どれを得意とするのか、現存作家・物故作家どちらをよく扱うのか等々…。
一口に画廊と言いましても一軒ごとに得意分野があり、作家の傾向も大きく異なります。
全てのジャンル・作家を網羅することは不可能と言えるでしょう。
あまりにも膨大な数があるため現実的ではないわけで、また画廊という特殊な商売において専門性を高めることは大事な要素です。
一軒ずつ見て回るのは中々骨が折れますが、アートフェアの会場やwebサイトを使えば、その画廊の特色を見比べることができるのでおすすめです。
貸画廊とは?
貸画廊は、展示スペースを作家側に貸して展覧会を開催する画廊を指します。
企画画廊と大きく違うのは、企画は画廊主ではなく作家側が行うことです。
作家は、おおよそ一週間展示スペースを借りて個展またはグループ展を開き、会期が終わると次に予約した人がまた展覧会を行います。
企画自体は場所を借りる作家に委ねられますので、画廊主の特色は企画画廊より少ないかもしれません。
しかし、貸画廊にも一軒ずつ特色があります。展示するのに一定レベルの作品を求めるところから、アマチュアの趣味の範囲の人まで門戸を広くするところもあります。
また企画画廊と貸画廊の両方を運営するところもあります。
貸画廊は、まだ画商が付いていない作家が、発表の場として使用するため、企画画廊とはまた違った魅力があります。
いつき美術スタッフ 齋藤英哉