光 韻
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作品紹介
「千住博画集」求龍堂刊行に1984年作の修士課程修了作品「回帰の街」(東京藝術大学買上・東京藝術大学美術館収蔵)所載、交差する直線で入り組んだうす暗い都会の街を描いたビルシリーズ作品、制作に悪戦苦闘したかのごとく随所に着彩した絵の具を削り取ったような形跡が感じられる、この「光韻」制作年は「回帰の街」と同じ時期、東京藝術大学修士課程から博士課程の在学中の1984~86年と思われる。この頃の暗い都市風景の大作数点を山種美術館が収蔵している。20代のビルシリーズの数年後には自然の美に時の流れを見いだし、森、森林、楽園シリーズを経てウォーターシリーズへと駆け抜ける。今の時代と違いこの頃は企画画廊は学生の作品を扱うことは少なく、貸し画廊でレンタル料を払って発表していた。まさに東京藝大で過ごした学部4年修了課程2年博士課程3年の9年を礎に大きな目標に向かって画家・千住博がスタートした。